診療内容MEDICAL
慢性便秘症
お腹の病気
排便は毎日行うべき人間の生理的な活動。昔から健康維持の秘訣は「快食・快便・快眠」と言われてきました。
排便に関するトラブルがあれば、それだけ生活に支障をきたしてしまうことになります。
一般的に、「便秘」とは「便が滞った、または便が出にくい状態」と定義されます。
こどもたちにとっても、便秘は日常的に直面する問題であり、腸の健康と精神的な健康に大きな影響を与えることがあります。
子どもの成長と発達にとって、正常な排便パターンは非常に重要です。
ここでは、便秘の中でも長期間に渡り、慢性的にみられる「慢性便秘症」について取り上げていきます。
慢性便秘症の原因と症状
原 因
小児の慢性便秘症の頻度は、その定義により様々ですが、こどもの約10~30%とされています。
こどもで便秘を発症しやすい時期に「乳児で食事内容が変わる頃」「幼児でトイレトレーニングを始める頃」「学童で通学し始める頃」とされています。
排便時の痛みや、不快な排泄を繰り返すことで、排便を避けること(排便回避)が便秘の一因となると考えられています。
この便秘の原因となる排便回避は、乳幼児では習慣化しやすく、便秘の悪循環(便が溜まることでより便が固くなり排便しにくくなる、また便を長期間溜めておくことで腸が拡張して便意を感じにくくなる)が生じ慢性便秘に至ります。
症 状
こどもの便秘は「週に3回より少ない」「5日以上出ない日がつづく」があれば便秘と考えます。
他にも小さなこどもで
・ウンチするのを嫌がる、がまんする
・ねっとりしたウンチが少しずつまたはかたまりで出る
・トイレを嫌がる、トイレではくオムツにウンチをする
・おならの回数が多い、においが強い、大人のようなにおいのおならをする
・いつの間にか下着が汚れている
・不機嫌、発熱や病気がないのに元気がない、食欲がない
なども便秘かもしれない症状です。とくに訴えを表現するのが難しい学童期までのお子様では上記のようなサインを見逃さないことが大切になります。
慢性便秘症の治療
慢性便秘症の治療目標は、「便秘でない状態」が続くように管理することです。
こどもの年齢や成長発達に合わせて、
・適切な処置
・適切な内服処方
で便秘治療を行っていきます。
適切な治療で、便秘に悩むこどもと家族の生活の質が改善します。
早期に取り組むことで、改善する見込みも高くなります。また再発防止のために長期的にわたり十分な維持治療が大切となります。
当院の便秘外来では、排便に関する詳細な問診や身体診察、そして必要時には検査を行い、便秘の原因となる基礎疾患が隠れていないかをまず見極め、こどもの成長に合わせて、本人とご家族とともにしっかり相談しながら取り組んで参ります。
排便に関するどんな些細なこともでお気軽にご相談ください。